我が半生の記


私の「始まりの刻」である。私が統合失調症を発症したのは、私32歳節子27歳の時である。発症から克明にに短歌集として残したのが「始まりの刻」である。節子23年の時間をかけての出版であった。それまでの期間、世に問えなかった。私の慶応大学早期定年、やつと環境が整い出版となったのである。この度「島崎藤村研究」 としての出版となる訳であるが、藤村の文学「真実描写」の技法で私の病気を表した。私の病状が最悪の時を表したのが「るつぼ」である。節子55歳新渡戸文化短期大学の職場での検診で肺がんが見つかる。節子59歳慶応大学病院で死亡。3年6ヶ月で私は人生最後の賭けに出た。笠井一成氏データー化、池田祥子先生編集で「藤村研究」であった。それから長く苦しい作業、書きつづけ仕上がった。明日池田祥子先生に渡す。もちろん笠井一成氏も同席する。やっとの想いいで、達成感はある。